松あき子の部屋

私が観た日本の伝統芸能・工芸品などを書きとめます。

大衆演劇 都若丸劇団を初観劇

恋のからくり 夢芝居〜♪ 大衆演劇と聞くとこの曲が頭に流れます。女形の艶やかな流し目、文楽のうしろ振りを思わせるような切ない背中。。そんな想像を抱きながら初めて、大阪新世界 通天閣のほんそばにある芝居小屋 朝日劇場へ向かいました。都若丸劇団の水無月特別公演が行われていたのです。誘って下さったお姉様は公演が始まると月に何度も通っているようで、若丸座長や団員さんについて、座席指定の取り方(初体験の私は全くシステムがわかりませんでした)や劇場内の環境(クーラーが直撃する場所など)についてまで色々教えてくれました。これが助かりました。

 

この日は特別「都若丸祭り」が行われていて通常の内容とは違っていたようです。普段よりもたくさん若丸座長が舞台に出られるとあって場内は満席、年齢層も幅広く、女性客中心でしたが男性もおられました。私は花道横の桟敷で拝見しました。

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大衆演劇は子供の頃、田舎のしなびた温泉宿で一度見た事がありました。客は我が家を含めて2組でした。風呂上がりに宴会場でジュースを飲んでいると唐突に始まった(気がする)のです。内容は普通の世話物だったと思いますが、それでもなんだか興味深くて最後まで見ていたのを覚えています。それと比べると若丸一座のなんと艶やかなこと!!比べるなっ、と言われそうですが私には鬘やメイクも斬新で、ものすごいタイムスリップをしてきたような気分になりました。

 

劇団の誰のファンになるかは分かれる所だそうですが、私はやはり若丸座長に魅了されました。看板をはる方というのは、どんな世界でもそうですけど、舞台にパッと出てきた時の安定感や存在感が圧倒的です。若丸座長は若々しさと円熟した雰囲気と両方ある方で、こちらを乗せるのが上手。美しかったです!終始舞台上からもサービス精神に溢れていましたが、終演後も握手を求めて長蛇の列。私もちゃっかり写真も撮ってもらいました。

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芝居小屋の活気というのはいいもんですよね。街そのものも賑わう気がします。この新世界界隈は他にもいくつか小屋があって激戦区だそうです。劇場も役者も観客も切磋琢磨してお互いを育てる、そんな環境なんかなと思います。昔は歌舞伎でも浄瑠璃でもこんな風やったんかなあ、なんて。。そうそう大衆演劇の見所(?)の一つといえばおひねり。目をつけた役者が売れてくると御贔屓さんも嬉しいでしょうね。役者と観客のお互いを育てる風土の上に成り立つやり取りやなと思いました。座長の胸元が諭吉さんで占められていく様子は見ていて気持ちが良かったです。来月も姉さんに連れて行ってもらいます!